チェコのドラマ『メタノール』をみて
毒性のあるメタノールを混ぜた酒が販売され、50人以上が死亡し、130人に失明などの障害が残った実在の事件をもとに作られたドラマをAmazon primeで観た。
こんな事件が2012年に起きてしまったことが驚きだったのが第一印象。
一番許せないのは間違いなく犯人グループだ。それでも販売店も許せず、気持ちをぶつける先を見つけられない被害者の方々はこちらも辛くなる。安いからといって疑わず販売してしまった店舗は罪悪感に苛まれるだろう。一生。
海外の話だが、8年前まで酒の販売についての法律が機能していなかったのは信じられない。ヒトが作った法律だから抜けや足りないところがあるのは仕方ないかもしれないが、法律の改正の機会を得るには、代償が大き過ぎた。
日本も安全だと思い込んでいるだけで、ありえないような事が行われていて、まだ被害が出てないだけかもしれない。
値段が高いから大丈夫とは言えない(偽装がある)が、何でも見境なく安く済ませるのは危ない。最近激安スーパーの悪い評判を聞いた。その値段には理由があり、いい面ばかり見ていてはいけないなと感じた。
安さの代償として命を差し出すようなことはしたく無い。しかし、値段で物を選ぶとき、知らず知らずの間にカネの代わりの命を少しずつ渡しているのかもしれない。
自分で気をつけたつもりでも、いつも買っていて問題なかったなじみの個人店の酒でも被害が出ているので自衛しきれない。こんな悲しい死に方はない。自分の親や友人にこんなことが起きてしまったら、考えただけで恐ろしい。
学生の頃、学園祭で食品を扱うのに一人一人検便をしたり、自治会の点検が面倒だった。面倒で手間のかかることでしか防げない大事なことがあるんだと今更感じた。